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論 文
老人転倒モニタの開発 とその評価
非会 員 吉 村 拓 巳(国 立長寿医療研究センター、奈良先端科学技術大学院大学)
非会員 堀 内 郁 孝(藤 元 早 鈴 病 院)
非会員 東 祐 二(藤 元 早 鈴 病 院)
非会員 中 島 一 樹(国 立 長 寿 医 療 研 究 セ ン タ ー)
非会員 藤 元 登 四 郎(藤 元 早 鈴 病 院)
非会員 千 原 國 宏(奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学)
正 員 田 村 俊 世(国 立 長 寿 医 療 研 究 セ ン タ ー)
Development of ambulatory fall monitor for the elderly
Takumi Yoshimura, Non-member (National Institute for Longevity Sciences, Nara institute of science
and technology), Fumitaka Horiuchi, Non-member, Yuji Higashi, Non-member (Fujimoto Hayasuzu
Hospital), Kazuki Nakajima, Non-member (National Institute for Longevity Sciences), Toshiro
Fujimoto, Non-member (Fujimoto Hayasuzu Hospital), Kunihiro Chihara, Non-member (Nara institute
of science and technology), Toshiyo Tamura, Member (National Institute for Longevity Sciences)
Prevention of falling during walking or transfer is important for maintaining quality of life in the elderly.
Analysis of fall among the elderly is useful not only for preventing fall, but also to find out disease in its early
stage. The aim of this study is to develop an ambulatory monitor that records falling time and frequency
for long period. The monitor consists of a fall sensor, analog and digital circuits including a microprocessor.
A photo-interrupter is used as the fall sensor. The photo-interrupter outputs a trigger signal when a subject
fall and then the microprocessor records the falling time. To minimize the power consumption, the photo-
interrupter is driven with pulse current, and the microprocessor that records falling time is only operated
when the subject falls. The monitor operates continuously for one week. The monitor was evaluated for a
nor-mal subject during daily activity and it operated without any trouble in total 120 hours. The monitor
was also evaluated for nine hemiplegia patients during rehabilitation training and it detected a falling.
キーワー ド: 転倒,転 倒,高 齢者,傾 斜 セ ンサ,無 拘束計測,長 時 間計 測
1.は じ め に
高齢者 に とっての転 倒事 故 は 「寝 た き り」 の大 きな原 因
の一つ であ る と言 われ てい る(1)。 高齢 者 は骨 密 度 が低 下 し
ているため、転倒時に骨折することが少なくない。骨折に
よる活動 の低 下は 「寝 たき り」の きっか け とな る。 一般 に、
高齢 者 は運動 反射 の衰 え に よ り歩行 面の変 化 な どに対応 で
きず、転倒 す る と考 え られ る。 また そ の他 の原 因 と して 、
運動系の障害、心臓、脳血管系の障害によるものも考えら
れ 、脳卒 中患者 の予後 に転倒 が発 生 しやす い と報告 され て
い る(2)(3)。さ らに転倒 に よる外傷 が完治 した後で あって も、
再度 転倒 す る こ とへの 恐怖 か ら外出 を しな くな り 「寝 た き
り」へ とつ なが る転倒 後症候群 の問題 も指摘 され てい る(4)。
現在 、 高齢者 の転 倒 の研 究 は ア ンケー ト(5)∼(7)や 観察
(1)(8)な どに代表 され る疫学 的調査 や 、転倒機 序 の解 析のた
め ビデオ システ ム を用 い た調 査(9)が 行 わ れ て い る。 例 え
ば、 あるア ンケー トを用 いた調 査 で は、年 に4回 の面 接 聞
き取 りを行 って い る(5)。 そ の 際、 過 去3ヶ 月 の転倒 の有無
を問 い、転倒 が あ った場 合 は 日時 と場所 、履 物 と動作 、考
え られ る原 因 、外傷 の有 無 と種類 な どを調査 してい る。 し
か し聞 き取 りに よ る方 法で は 、本 人 の記 憶 に頼 る他 な く、
転倒 時 の状況や その程 度 につい てあい まい さが残 る(10)。ま
た痴 呆や 言語 障害 を有す る場合 は 、聞 き取 り調 査が 困難 と
な る。観 察に よる方 法 で は、全 て の行動 を把 握 す るた めに
は多大な労力を要 し、長期間にわたって調査す ることが困
難 とな る。 転倒 の調査 を行 う際に は どの よ うな姿勢 変化 を
1846 T.IEE Japan,Vol.120-C , No.12, 2000
老人転倒モニタの開発とその評価
転倒 とす るか を定義す る。 しか し各調 査 にお いて転 倒 の定
義は統一 され てお らず、研 究 の比較 を行 う際 には 注意 を要
する(6)。記 憶 や観 察 に頼 る こ とな く、 客 観的 な 情 報に よ り
転倒を把握す ることは、転倒の解析を行 う上で重要である。
しか しこれ まで 、長時 間無拘 束 に転倒 を計測 で き るモ ニ タ
は開発 され てお らず、 また高 齢者 の転 倒 を長 時間 計測 した
例もない。
これまで 、行 動 の 自動計 測 の研 究 と して は 、加 速度 波形
により歩行状 態や活 動量 を評価 した もの(11)∼(16)や 行 動 自
体を推定 ・分類 した もの(17)∼(19)、グ ローバ ルポ ジシ ョニ ン
グシステム(GPS)や デ ジ タル 携帯 電 話 を用 いた 被 検者 の位
置情報 を把 握す る研究(20)∼(24)な どが 報告 され てい る。加
速度波 形を用 い た研 究 では 、デ ー タ レコー ダな どでサ ンプ
リング ・記録 した後、 オ フ ライ ン で解 析す る もの が主 であ
り、 リアル タイ ムには 歩行 の状態 が把 握 され てい ない。 転
倒を客観的 に把握 す るに は、大 別 して転倒 時 に身 体に加 わ
る衝撃力 、転倒 の発生 場所 、転倒 の時刻 や頻 度 な どの情 報
が必要であ る。通常 、転倒 は頻繁 に発生 しない ため、1週 間
か ら数 ヶ月 間程 度、 日常 の行動 を計測 し、 その 中で発 生 し
た転倒 を検 出 しな けれ ばな らない。 上 に述 べた全 ての 情報
を計測す る こ とが理想 であ るが、 その た めに装置 が大 型化
する と被 検者 の 日常生活 の妨 げ とな り、計 測時 間が減 少す
ることで、十 分 に転 倒 を検 出で きな い可能 性が あ る。 その
ため、小 型軽 量で長 時 間計 測が可 能 な機 器 を開発 す る こと
が必要であ る。 身 体 に加 わ る衝 撃 力 の計測 に は、加速 度セ
ンサを用 い る方法 が ある。 しか し、加 速度波 形 を1週 間 以
上計測す るため には高 容量 の記録 媒体 を検 討す る必 要が あ
る。また転倒の発生場所の計測は、GPSや デジタル携帯電
話を用い る方 法 があ るが 、消費 電力 が大 き く長 時 間計測 は
困難であ る。 一方 、転 倒 の時刻 や頻 度 は計 測 しなけれ ばな
らない情報量が少ないため、小容量ではあるが小型の記録
媒体で対応 で きる。近 年 、単位 時間 あ た りの活 動 量 を長 時
間評価で き る腕 時計 サイ ズのモ ニ タ(Actigraph, A.M-1.)
が開発 され てお り、 これ を用い た睡 眠や ・覚 醒の評 価 が行
われてい る(25)。 このモ ニ タは ピエ ゾ型加 速度 セ ンサ を用い
るが、設 定 され た閾値 を超 えた加 速 度 の出現 回数 のみ を記
録 してい る。 この ため記録 す る情 報量 は少 な く、1ヶ 月 以 上
の計測が可能 で あ る。 一般 に長 時間 の計 測 を行 う場合 、電
池の電流容 量 を大 き くす る必 要が あ り、 電池 が重 くな る傾
向があ る。1週 間 以上 の 長 時 間計 測 を 行 うた め に は、 装 置
が小型軽 量 であ り被検 者 に とって負 担 とな らな いよ うに設
計 しなけれ ばな らな い。本 論文 では 転倒 モ ニタ 開発の 第一
段階 として 、転倒 時刻 と頻 度の み に着 目し、小型 ・軽 量で
長時間計 測 が可能 なモ ニ タの開発 を行 った。
2.転 倒 モ ニ タ
<2・1>計 測 原 理 本研 究 では 、長 時間 にわ た り転倒
を自動的 に計 測す る こ とを最重 要課題 と して設 計 を行 った。
そのた め、転倒 の時刻 や頻 度 の情報 だ け を記 録す る設 計 と
した。具体的には身体の角度情報、加速度情報などをアナロ
グ値 と して計 測す るの では な く、身体 の角 度 に よ り転倒 か
どうかデジタル値 として判断することで情報量を減らした。
一般 に身体 が60。 以 上傾斜 した場合 、 もとの状態 に復 帰 で
きず、転倒 す る と考え られ る。 ま た転 倒 した 状態 か ら起 き
あがるまでの時間は数秒か ら数十秒以上必要である。本研
究で は身体が垂 直方 向か ら60。 以上傾斜 した時 間が1.5秒
以上続 いた場 合 を転倒 であ る と定義 した。転倒 を検 出す る
ため に、傾斜 セ ンサ(AHF21,松 下 電 工)を 用 いた。 このセ
ンサ は フォ トイ ン タラプ タで構成 され てお り傾斜 角が60°
以上 にな る とフォ トイ ンタラプ タ内の球 が移 動 し、電圧 が
出力 され る構造 であ る。
<2・2>回 路 構 成 開発 した転倒 モ ニ タの外 観 を図1
に示 す。 転倒 モニ タの外形 寸法 は104×60×28mmで あ
り、また重量 は98g(電 池含 まず)で あ る。 この 程度 の 大 き
さや 重量 は、被 検者 の歩行 を拘束 しない と考 え られ る。 モ
ニタの ブ ロック図 を図2に 示 す。 転 倒 モニ タ は 、セ ン サ 回
路 、セ ンサ 駆動 回路 、CPU、 タ イマ 回 路 、RS-232Cイ ン
ター フェー スよ り構 成 され てい る。
図1モ ニ タ の外 観 図
Fig. 1. Top view of the ambulatory fall monitor
図2転 倒 モ ニ タ のブ ロ ッ ク図
Fig. 2. A block-diagram of fall monitor.
電学論C, 120巻12号,平 成12年 1847
CPUに は16ビ ッ トマイ コ ン(H8-3048, Hitachi)を 用 い
た。CPUは メモ リ と してROMを128kバ イ ト、RAMを
4kバ イ ト内蔵 してお り、時刻 デー タを最高500点 ま で記 録
す る ことが可能で ある。 さ らにCPUに はイ ン ター フ ェー ス
回路 と してパ ラ レル ポー ト(PIO)と シ リア ルポ ー ト(SIO)
が標準で組み込まれている。
記録 した時刻デ ー タは シ リアルポー トよ り出力 され 、RS-
232Cイ ンバー タIC(ADM232A, Analog Devices)を 介 し
てPCに 転送 され る。 開発 した転倒 モ ニ タで は、消 費電 流
を減 少 させ るた めに 、転倒 状態 以外 で はCPUを ス タ ンバ
イ 状態 に させ た。 このた めCPU内 部 の カ ウン タや タイ マ
などを用いた時刻の管理 を行えない。そのため、タイマIC
(RTC-4553, Epson)を 用 いCPUの 動 作 と は別 に 時 刻 の 管
理 を行 うこ とと した。
セ ン サ ドラ イ バ 回 路 に は 同 期 式 バ イ ナ リ カ ウ ン タ
(74HC163, Toshiba)を 用 い た。 タイ マICよ り出 力 され
る1024Hz, 50%dutyの 方形波 を分周 し、64Hz, 6%duty
の方形 波 を生成 す る。 傾斜 セ ンサ の駆動 はMOS型 電 界 効
果 トランジス タ(2SK2103, Rohm)を 用 い た 。 図3に セ ン
サ回路 のブ ロック図 を示 す。本研究 では傾 斜セ ンサ のフォ ト
インタラプタをパルス駆動 としたため、センサからの出力
波形 はパ ルス状 の方形 波の 並び列 にな る(TP1)。 セ ン サ か
ら得 られ た 信号 は この パル ス波形 の復調 を行 うた め と、 歩
行や 体動に よる誤 動作 を防止 す るた め、CRロ ーパ スフ ィル
タ回路(fc=0.7Hz)に 入 力 され る。ロー パス フィル タよ り得
られた波形 は 、シ ュ ミッ ト トリガ回 路(74HC14, Toshiba)
に入力 され デジ タル波 形 に整 形 され る。 ロー パス フ ィル タ
とシュ ミッ ト トリガ回路 に よ り、セ ンサが60。 以 上傾斜 す
る時 間が1.5秒 以 継続 す る 場合 に のみ 信 号 がONに な る。
各 回路の 出力 波形 の例 を図4に 示 す。 図4(a)は 健 常者 が
疑似的 に転倒 した場合 であ る。セ ンサか らの出力(TP1)は
パル スの並 び列 にな る。疑 似的 に転倒 した 場合 、 フィル タ
後の波 形(TP2)は 転 倒後 に 徐 々に 増加 し、 シ ュ ミッ ト トリ
ガ の閾値 に 達 した点 でセ ンサ回 路の 出力(TP3)はONと
な った(図 中矢 印F)。 平 地歩 行 を した場 合、セ ン サか らの 出
力(TP1)は 歩 行 な どの 体 動 によ り 出力 が上 昇 し てい る(図
4(b))。 しか し、 す ぐに 下降 して い るた め フィ ル タ後 の出 力
(TP2)は シ ュ ミ ッ ト トリガ の閾 値 ま で達 せず 、 セ ンサ 回 路
の出力(TP3)はONが 出力 され ない。 この よ うに フィル タ
回路 を用 い るこ とに よ り、 体動 に よる誤検 出 を防 止 した。
<2・3>省 電 力化 本 モニ タで は消費 電力 を減少 させ
るた め、 アナ ログ回 路 とデ ジタル 回路 を以 下 の よ うに設 計
した。傾 斜 セ ンサ の フォ トイ ン タラ プタ を駆動 す る には 、
通常数10mA程 度の電 流が 必要 であ る。 この電流 を減少 さ
せ るため 、傾斜 セ ンサ を64Hz, 6%duty幅 のパル ス駆 動
と した。 これに よ り平 均駆 動電 流 は0.6mAと な っ た。
デ ジ タル 回路 にお いて も以 下の省 電力 対策 を行 った。 初
期 設 定終 了 後、CPUを ス タ ン バイ 状 態 に設 定 す る。 ス タ
ンバ イ状態 ではCPUは ク ロ ック 発信 を停 止 す る こ とに よ
り、大 幅に 消費電 流 を減少 させ るこ とが可能 で あ る。 電源
図3セ ン サ 回路 の ブ ロ ック 図
Fig. 3. A block-diagram of the sensor circuit.
(a)転倒時のセンサ回路の出力波形
(b)歩 行時 のセ ンサ回 路の 出力波 形
図4セ ンサ回路の出力波形
Fig. 4. Characteristics of the sensor system.
が供給 され て い る限 りCPUの レジ ス タ お よび 内 蔵RAM
のデ ータ は保持 され る。 ス タ ンバイ 状態 で のCPUの 消 費
電 流は約5μAで あ る。 ス タンバ イ状態 の設 定 はプ ログラ
ムか らス タンバ イ命令 を実行 す る こ とに よ り行 う。 ス タン
バ イ状 態 を解除 す るには 、外部 割 込み 端子 に信 号 を入力す
る。 ス タンバ イ状態 のCPUは 、 セ ン サ回 路 か ら 出力 され
る シ ュ ミッ ト トリガ 信 号に よ り動作 状態 とな り、 タイ マ回
路 との通信 を行 い 、転倒 時刻 を メモ リに記録 す る。そ の後、
CPUは 再 び ス タン バイ 状 態 に移 行 す る。 ま たRS-232Cイ
ンター フエー スICに お い て も4mA程 度 の 電 流 を消 費 す
る。 そ のた め、通信 を行 わない 場合 は電 源 を供 給 しない設
計 と した。
これ らアナ ログ回路 とデ ジタル 回路 の省 電力対 策の結果 、
転 倒 モニ タ全 体の 消 費電 流 は1mA程 度 とな っ た。 電 源 に
9V型 アル カ リ電 池 を用 い た場合 、約1週 間 の 計測 を行 う
1848 T.IEE Japan, Vol.120-C, No.12, 2000
老人転倒 モニタの開発 とその評価
図5傾 斜セ ンサの特性
Fig. 5. Characteristics of the photo-interrupter.
ことが可能 で あ る。
<2・4> デ ー タ通 信 記 録 され た 転倒 時 刻 デー タは 、
RS-232Cイ ン ター フ ェー ス を介 してPCに 転 送 され る。 時
刻設 定はPCの 内部時 計 を読み こみ 、 自動 で設 定す る方 法
と、手動 で時刻 を設定 す る方法 を選択 す る よ うに した。
3.モ ニ タ の 性 能 評価
<3・1>傾 斜 セ ンサ の 評 価 こ こでは、使 用 した傾斜
センサの特性を評価する。傾斜センサ単体での計測を行い、
駆動電流 を20mAのDCと した。傾斜 セ ンサ を角 度 トラン
スデ ューサ(TM-511G,霞 本 光 電 工業)に 固定 し、垂 直 軸
か らの角度 を計測 した。傾斜 セ ンサ は約7×10-2rad/sの
角速度で移動 させ た。 傾斜 セ ンサ か らの 出力 と角度 トラン
スデューサの 出力 をデー タ レコー ダ(DR-C2, Teac)で 記
録 した。 分解 能 は16bit、 サ ン プ リン グ周 波 数 は10Hzと
した。
傾斜 セ ンサ の特 性 を図5に 示 す。 横 軸 が傾 斜 セ ンサ を 垂
直か ら水平方 向 に傾 けた場 合の 角度 、縦軸 が傾 斜 セ ンサの
出力 である。傾 斜 セ ンサ を垂直 方 向か ら水 平 方向 に傾 けた
場合 、70° 付近 で 出力 がONと な った。 ま た水平 方向 か ら
垂直方 向に戻 した場合 、約30° 付近 で出力 がOFFに な つ
た。5回 の 計測 を 行 つた が 、同様 の結 果 で あつ た。 この よ う
なヒステリシス特性 を持つているので、チャタ リングが発
生 しにく く、体 動 に よる誤検 出 を防止 で き る。 本研 究 では
転倒の有無 をデ ジタル 的 に計測す るため 、傾 斜 角 を正確 に
把握す る必 要 は な く、 また実 際の 転倒 時は加 速 度 も加 わる
ために厳密 に角 度 を検 出す る こ とは 困難で あ る。 その ため
セ ンサの採 用の 際 には60° ±10° を誤差 の許容 値 とした。
<3・2>転 倒 モ ニタ の評 価 日常行動 に おい て、 どの
ような場 合 に転 倒 モ ニ タが 時刻 を記 録す るか を検 討 した。
計測 は30歳 の健 常 成人 男性 を対象 に 、の べ120時 間 行 つ
た。 モニ タは左 仙骨 部 よ り5cm上 部 に ベル トに て装 着 し
た。計 測終 了後 、PCに デ ー タを転 送 した。
またお辞儀、歩行、体操、横になつた場合や走つた場合
表1 日常 の動 作にお けるモニ タの 出力結 果
Table 1. The output from the fall monitor in the
daily action.
図6日 常行動の計測結果
Fig. 6. A typical example of signal during daily
activity.
な どの 日常 の各動作 に おい てセ ンサが反応 す るか の検討 も
行 つた。5km/hの 歩 行 、7km/h、10km/hで 走 る実験 は、
トレッ ドミル(ML-12,フ ク ダ電 子)上 で1分 ご とに 速度 を
変化 させ な が ら行 つた。 同時 に装 着部位 に よる反応 の違 い
を検 討す るため 、モ ニ タは被 検者 の仙 骨部 よ り上部5cmの
位 置 で左 右 と腹 部 、背 部に それ ぞ れベル トにて装 着 した。
日常行 動 の 測 定結果 を図6に 示 す 。計 測 中 に 被検 者 は 、
歩行 、デス クワー ク、入 浴、着替 え、睡眠 、 自転 車 の乗車 な
どの行動 を行 った。 歩 行 中やデ ス クワー ク中に は、傾 斜セ
ンサの 出力 がONと な らなか つた。 一方 、入浴 や着替 えな
どに よ り転倒 モ ニ タを装着 部位 か ら取 り外 した 場合や 、睡
眠中 、また 自転 車乗 車中 に時刻 を記録 した。
お辞儀や5km/hの 歩 行 中に はセ ンサ が反 応 す るこ とは な
かつた。一方、横になった場合、椅子に浅 く腰掛けた場合 、
7km/h、10km/hで 走 った場 合 にはセ ンサが反応 した。横
にな つた場 合や椅 子に 浅 く座 った場合 は身 体が60° 以上傾
電学論C, 120巻12号,平 成12年 1849
い た時 間が1.5秒 以 上 であ る た めセ ン サ が作 動 した と考 え
られ る。 また7km/h、10km/hで 走 った 場 合、 身体 は60°
以 上傾 いて いな い。 この ことか ら体 動 によ り傾 斜 スイ ッチ
が1.5秒 以 上ONと な っ た ため セ ンサ が 作動 した と考 え ら
れ る。
4.フ ィー ル ド評 価
<4・1>方 法 歩行 周期 が不 安 定で 、転倒 モ ニ タ
が誤 検 出をお こ しや す い と考 え られ る脳 卒 中予後 の高齢 者
片麻 痺患者 で 、 フィール ド評 価 を行 つた。計 測は リハ ビリ
訓練 中 に行 い 、藤元 病院 倫理 委員 会の承 認 を得た後 、書 面
によるイ ンフォーム ドコンセ ン トを各患者 に対 して行 つた。
計測 は9名 の 患者 に 対 して 、の べ14回 行 っ た。 患者 の転 倒
を防 ぐため、補 助者 が補 助 を行 つた。転倒モ ニタは、左仙 骨
部 か ら上部5cmの 位 置 にベ ル トで装 着 した。 患者 の 詳細 を
表2に 示 す。 表2中 のBr.Stageは 、6段 階 で示 され る片
麻 痺 の回復段 階 の評価指 標 であ る。 麻痺 の症 状 が重い ほ ど
Br.Stageの 数字 が小 さくな る。 ま た、表2中 に 計 測 中の
転倒 の有無 も同時 に示 した。 転倒 の定:義は歩 行 中 にバ ラ ン
スを崩 し、補 助者 の補助 が 必要 とな った場合 と した。転 倒
した被検 者 を"+"、 転 倒 しな か つた 被検 者 を"-"と 示 した。
リファ レンス と して 、同時 に3軸 の加 速 度 波形 を 計測 し
た。転倒 モ ニ タ と同様 に加 速度 セ ンサ(3軸 加速 度セ ンサ,
曙 ブ レーキ)を 腰 部 に装 着 し た。X軸 は前 後方 向の加 速度 、
Y軸 は左右方向の加速度、Z軸 は上下方向の加速度である。
加速度波形から身体の傾きを解析す る場合、加速度の値を、
角度情 報に 変換す る必 要が あ る。 本研 究で は、患者 が垂 直
に起立 した場合 に、加 速度 セ ンサ の各X, Y, Z軸 の 加 速 度 が
0m/s2と な る よ うにオ フ セ ッ トを調 整 した 。 この た め傾 斜
セ ンサ が作動す る60.ま で 身体 が傾 斜 す る と、加 速度 セ ン
サのDC出 力は約 ±6.5m/s2と な る。 ま た、 身体 が完 全 に
表2患 者の詳細
Table 2. List of patients.
T:Tetrapod cane SLB;Short leg brace
C:T-cane SLB(p):Plastic short leg brace
P: Parallel bar LLB:Long leg brace
+:Falling -:Without falling
横に なった状 態で は ±9.8m/s2の 加 速 度 を示 す。 加 速度 波
形 はデー タ レコー ダ(DR-C2, Teac)で 分 解 能16bit、 サ
ンプ リング周波 数500Hzで 記 録 され た 。
<4・2>結 果 転 倒 モ ニ タは 、 リハ ビ リテー シ ョ
ンの歩 行 中にお いて 体動 な どに よ り時刻 を記 録す るこ とな
く、正 常 に動作 した。 の べ14回 の計 測 の うち、 転倒 した
患者 は4名 で 、そ の うち 転倒 モ ニ タ で 転倒 を 検 出 した 患者
は1名 で あ った(患 者No.1)。 図7に 転倒 を検 出 できた患者
とで きな か つた患者 のデ ー タの例 を示す。 図7(a)で は11
時48分16秒 か ら11時48分21秒 の5秒 問 にわた り、傾
斜 セ ンサの 出力 がONと な つた。一 方 、加速 度波 形 も同時
刻に特 に大 きなDC変 動 を示 し、転倒 を検 出 してい る。 ま
た、 図7(b)の 矢 印Fで 患 者 は 転 倒 し たが 、 転倒 モ ニ タ に
は時刻 が記 録 され て いな い。 ま た、加 速度 セ ンサ の出力が
6.5m/s2以 上 と な って い る時 間 は1.5秒 間 よ り短 い。
5.考 察
<5・1>モ ニ タの 評 価 本 モ ニ タは睡 眠や 転倒 モニ タ
を装着 部位 か ら取 り外 した場 合 な ど傾 斜セ ンサがONと な
る時 間が1.5秒 以 上 続 く場 合 に は 、時 刻 を 記録 す る構 造 で
あ る。 転倒 モニ タの評 価 を行 った結 果 、睡 眠 は通常数 時間
程度続 くの で、転 倒 とは 区別す る こ とが で きた。 装置 を取
り外 した際 に時刻 が記 録 され るの を防 止す るため に、 自動
的に計測 を一時停止 す る機構 を付 加す るこ とが必 要であ る。
一方 、 自転車乗 車 中に傾斜 セ ンサ の 出力 が一時 的 にONと
な ってい るが、転 倒モ ニ タか らの 情報 のみ で は振動 に起因
するものか、姿勢に起因するものなのかを判断できなかっ
た。 日常行 動別 に加速 度波 形 と転倒 モ ニ タの 出力 を比較 し
た結果、身体が横になつた場合、椅子に浅 く座 った場合な
ど、傾斜角 が60。 以 上の状態 が1.5秒 間以 上継続 した場合
にセ ンサ が作動 した。 また身体 が傾斜 しな くて も被検 者が
走 つた場合 な ど加 速度 波形 が傾 斜 セ ンサ ーの動 作す る加速
度で ある6.5m/s2以 上 の 場合 、 セ ンサ が反 応 す る。 今後 転
倒 の検 出精 度 を上げ る には 、傾 斜 セ ンサ ー と加 速度 を併用
す るこ とが有効 で ある。 転倒 時に は身体 が傾 くだ けでな く、
身体 に衝撃 加速 度 を受 ける。横 にな つた場 合 や椅 子に 浅 く
座 つた場合 は 、加 速 度波 形 が転倒 時 の よ うに大 きな値 を示
さな いため、転倒 とは 区別 で きる。また 、被験検 者が走 つた
場合 は加速 度 のAC成 分 は大 きな加 速度 を示 す が、DC成
分がセ ンサ の動 作す る加速 度 であ る±6.5m/s2以 上 の 値を
示 さない と考 え られ る。 この こ とか ら身 体 が横 にな つてい
な い こ とが わか り、加速 度 波形 と組 み 合 わせ るこ とによ っ
て転倒とは区別することができる。
リハ ビ リテ ー シ ョン中 には 、患者 が 完全 に転倒 す る前 に
補助者 が患者 の身体 を補助 す る。その た め図7(b)で 加速度
セ ンサの 出力が連 続 して1 .5秒 間 よ り長 く6.5m/s2以 上の
値 を示 さな かった。 ま た、加 速度 波形 は瞬 間 的 に9.8m/s2
を超 えてい るが 、 これ は身 体 を補 助 して い る際 にセ ンサが
患者 の身 体 で擦れ た り、補 助者 の 手 な どに触れ たた めで あ
る と推測 で きる。今 回は被検 考 が歩行 中にバ ランス を崩 し、
1850 T.IEE Japan , Vol.120-C, No.12, 2000
老人転倒モニタの開発とその評価
図7転 倒 を検出できた場合のモニタの出力波形 と加速度波形の比較
Fig. 7. Comparison between fall monitor and accelerogram during rehabilitation.
補助が必 要 とな つた場 合 を転倒 と定義 したた め、転倒 モ ニ
タの転倒 検 出の 定義 とは異 な ってい る。 その ため 、加 速度
波形 と比較 を行 い、 モニ タの 転倒検 出の定義 で あ る1.5秒
間以上60.以 上 傾 いた 状 況 であ っ たか ど うか を評 価 した 。
バランス を崩 した被検 者 の うち転倒 と検 出 され な かつ た被
検者の加速度 波形 を比 較 した結 果 、いずれ の被 検者 にお い
ても身体が60.以 上 傾 い た時 間 は1.5秒 以 下で あった。
従来の転倒 の 調査 は、 ア ンケー トを用 い た聞 き取 り調査
が主であ るが(b)、 こ の場 合 は本 人 の記 憶 に 頼 る他 ない 。 ま
た、調査 によ り転倒 の定義 が異 な るた め、転倒 の 客観的 な
指標 を得 るこ とが困難 であ る(6)。 本研 究 で は転 倒 の情 報 と
して転倒 した時 間 と頻度 に着 日 し、傾 斜セ ンサ が1.5秒 間
以上60° 以 上傾 い た場合 の姿 勢変 化 を長 時間記 録 す る仕
様 とし、小 型軽 量化 をは か つた。 この ため 、転倒 だけ でな
く姿勢の変 化 も検出 す る ことが示 され た。 これ まで長時 間
転倒 を計測 す る小型 軽量 のモ ニ タは開 発 され て お らず 、今
後加速度波 形 を組 み合 わせ 姿勢 の変 化 と転倒 を判別 す る こ
とで転倒 を客観 的 に把 握 で きる こ とが示 唆 され た。
<5・2>モ ニ タの 開 発 今 回 の転倒 モ ニタの試 作 にお
いては、回路を小型化 し電池寿命を長くするために、傾斜
スイッチ を用 い 転倒 を検 出す る構 造 と した。<5・1>に も述
べたよ うに転倒 と姿勢 の変 化 を区別 し、転倒 を さ らに詳細
に把握す るには 、加速 度 の情報 と組 み合 わせ る こ とが有効
であ る。加 速度セ ンサ の1Hz以 下 の 低周 波 成分 を 計測 すれ
ば、被検者 の身体 が どの程 度傾斜 して いるか を推 定す る こ
とが可能 であ る(23)。現在 、小型 の3軸 加 速 度セ ン サ も市販
されてお り、 これ を利 用すれ ば転 倒モ ニ タ 自身 も比 較的小
型に製 作で き る。 しか し、 この加 速度 セ ンサ は ピエ ゾ抵抗
タイプの素子 で、1軸 あ た り数mA程 度 の 駆動 電 流 が必 要
である。一方 、圧 電型 の加 速度 セ ンサの消費 電流 は少な い。
しか し圧 電型 の加速 度 セ ンサは低 周波 成分 の ドリフ トが 大
きいため、身体 の傾 きを検 出す る こ とは 困難 であ る。 転倒
の際 には身 体 に強 い衝撃 加 速度 を受 け る。 も し身体 に受 け
た強い衝撃 を転 倒 と定義 す るな らば 、圧電型 の加 速度 セ ン
サを用い る こ とも可能 であ る。 この場 合、 転倒 の発 生時刻
と衝撃加速度は検出可能であるが、転倒の状態から元の状
態に戻った時刻は検出できない。今後は、傾斜セ ンサの角
度情報と、圧電型加速度センサの衝撃加速度を組み合わせ
るこ とで、 さらに転倒 の検 出精度 をあげ るこ とを検討 す る。
また、転倒 の前後 の加 速度波形 を記録 でき るよ うに改 良 し、
デ ー タを蓄積す るこ とで疫 学調査 だ けでな く転倒 の予 兆 を
検 出す る研 究 に役立 て るこ とも検 討す る。
現在 、モニ タ には9V型 アル カ リ電 池 を用い てお り、単
3電 池 約2個 分の 体積 を 占める。本研 究 では9Vか ら5Vに
電圧 を下げ るDCコ ンバ ー タが比較 的容易 に入 手で き、 ま
た変換効率も高いためこの電池を用いた。転倒モニタをさ
らに小型 化す るた めには 、使 用す る電 池の検 討 を行 う必要
があ る。最 近、1.5Vの 電池 か ら3Vま た は5Vに 昇圧 す る
小型 のDCコ ンバ ー タ用ICも 入手可能 となって きた。今後
このICを 用 いモ ニタ を単3電 池1本 で駆 動 す る園路 を検
討 す る。 そ して万歩 計程度 まで 転倒モ ニ タを小型 化 し、計
測 寿命 を1ヶ 月 程 度 とす る予 定 で ある 。
6.ま と め
転倒 を客観 的に評 価 す るた めの転 倒 モ ニタ を開発 した。
開発 したモ ニ タは転 倒 を検 出す るア ナ ログ部 と時刻 を記録
す るデ ジ タル 部 よ り構成 されて お り、被検 者 の身体 が60。
以 上傾斜 した時 間が1,5秒 以 上継 続 した 場 合に 時 刻 を記 録
す る仕様 と した。健 常者 と高齢 者の 片麻痺 患者 を対 象 に転
倒 モ ニタの評 価 を行 つた。 日常 行動 に よる時刻 の記 録 はほ
とん どな く、ま た、転倒や身 体が60。 以上傾斜 した時 間が
1.5秒 以 上 継続 した 時 刻 、復 帰 した 時 刻 が記 録 され た 。 本
モ ニ タを用 い るこ とに よ り約1週 闇 転倒 や 姿勢 変 化 を計 測
で きる ことが示 され た。 今後加 速度PIと 組 み合 わせ 、転倒
と姿勢 変化 を区別 す るこ とで転 倒 を客観 的 に評 価 で きる こ
とが示 唆 され た。
本研 究の 一部 は厚 生省 長寿科 学総 合研 究事 業な らび に長
寿医療研究委託事業の補助により行われた。
(平成12年03月27日 受付,同12年07月25日 再 受付)
電学論C, 120巻12号,平 成12年 1851
文 献
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吉 村 拓 巳 (非会員)1969年 生。1995年 山口大学大学院理工
学研究課博士前期課程電気電子工学専攻修了。同
年日本光電工業株式会社入社。1999年 国立療養所
中部病院長寿医療研究センター老人支援機器開発
部研究員。2000年 奈良先端科学技術大学院大学情
報科学研究科博士後期課程入学。主として生体情
報の無拘束計測の研究に従事。日本エムイー学会、
日本発汗学会の会員。
堀 内 郁 孝 (非会員)1974年 生。1997年 宮崎 リハ ビリテー
ション学院 理学療法学科卒業。同年 社団法人
八日会 藤元病院勤務。主 として無拘束計測によ
る動作解析の研究に従事。 日本理学療法士協会の
会員。
東 祐 二 (非会員)1964年 生。1985年 熊 本 リハ ビリテー
シ ョン学院 作業療 法学科卒業 同年 、所 沢 リハ ビ
リテー シ ョン病院就職 。1991年 社 団法人八 日
会 藤元病院勤務。主として介護福祉機器の導入
と運 営に関す る研究 に従 事。 日本作業療法 士協会
の会員。
中 島 一 樹 (非会員)1962年 生。1988年 京都大学大学院理学
研究科化学専攻博士後期課程中途退学。1988年 山
口大学 工学部電気工学科助手。1997年 山口大学工
学部感性デザイン工学科講師。1999年 国立長寿医
療研究センター室長。工学博士。主として高齢者
用の看護 ・介護支援機器に関する研究に従事。電
子情報通信学会、日本エムイー学会、IEEE会 員。
藤 元 登四郎 (非会員)1941年 生。1969年 東京 大学医学部卒
業。1971∼1973年 フランスのサ ンペ トリエール
病院 に留学。1973年(社)八 日会藤元病院に勤務。
現在,理 事長。
1852 T.IEE Japan , Vol.120-C, No.12, 2000
老 人 転 倒 モニ タ の 開 発 と そ の 評 価
千 原 國 宏 (非会員)1945年 生。1973年 大阪大学大学院博 士
課程修了。同年同大学基礎工学部助手。1983年 同
大学基礎工学部助教授。1992年 奈良先端科学技術
大学院大学情報科学研究科教授。主として医用超
音波計測、生体内可視化の研究に従事。工学博士。
田 村 俊 世 (正員)1949年 生。1980年 東 京医科歯科大学大
学院医学研 究科修 了(医 学博 士)。 同年同大学医用
器材研究所助手。1991年 山口大学工学部電気電子
工学科助教授。1993年 医科歯科大学医用器材研究
所助 教授。1998年 長寿医療研 究セ ンター部長。
電学論C, 120巻12号,平 成12年 1853